外部大学院を受験した時の話

卒論以来、引越しやらなんやらでドタバタしていましたが、無事修士課程に進学できました。研究いっぱい頑張ります。わーい。

 

さて、先日オープンキャンパスがあり研究室にも何人か見学に来ていて、去年は僕も来たなぁと思ったので、ちょっと大学院入試について書きます。

 

大学入試に関してはネットに情報が溢れてるのに、大学院入試となるとなかなか情報が落ちておらず困りました。僕の場合、志望専攻であった椀屋さんのブログをとても参考にしていました。重要なことはほとんど椀屋さんが書いていらっしゃるのでそっちをまず読んでもらうことにして、ここでは京大情報学研究科の受験対策について書きたいと思います。(受験アドバイス的な)

 

出願

遠方の場合、募集要項やらなんやらを取り寄せないといけません。多分周りに一緒に受験する人がいないので、締切日などを間違えないようよく要項を読みましょう。個人的には志望説明書を2枚書くのが結構手間取った。

 

TOEIC (TOEFL)

大抵の大学院で必要とされるので受験校を決める前から受けとくべき(僕は3月と5月に受けた)。TOEICの場合試験が1年に10回しかなく、申し込みが試験1ヶ月前、結果の配送が試験1ヶ月後と結構時間がかかる。

東工大の募集要項を見ると、TOEIC800点前後で英語満点扱いされる専攻がいくつかあり、これが一つの目安になると思う。

学部の時の先生曰く、基本的に受ければ受けるほど点数が上がるものらしいので、複数回受けたほうが良い。実際TOEICの場合、英語力よりむしろ処理能力が重要なので慣れは大きいと思う。(ちゃんと模擬試験とかを事前に何回もやっていれば1回でも好成績が出るのかもしれないけど)

  

受験勉強

内部の人は別にガリガリ院試対策をしているわけでもないので、焦らず計画を立てて対策すれば大丈夫です。点数だけで平等に判断されるのでちゃんと勉強すれば受かります。

受験勉強始める時期は学部2年とか学部4年の6月とか人によってかなり違うみたいだけど、僕の場合は学部4年の4月から始めた(お尻に火がついたのは7月)。具体的に自分が何をしていたかを思い出してみる。

 

4月

  • 研究室見学、オープンキャンパスや入試説明会に参加して進学したい研究室を選ぶ。

研究室見学はもちろん、入試説明会も(例え平日開催でも)参加したほうがいいです。そこでしか配られない資料とか質問タイムもあるので、外部の場合は特に有益だと思う。

また、複数校併願すると同じ研究分野でも大学によって受験問題が結構違って勉強がしんどいので数打ちゃ当たる的な発想では無理です。僕は自分のとこの大学院も併願しましたが、試験が京大の合格発表の2週間後だったので落ちたら対策を始めることにして、京大対策になるべく時間を取るようにした。

  • 過去問の傾向を調べ、解く問題を決める。

過去問が数年分HPに上がっているので、どういう問題が出ているかを全て見て傾向を調べる。分野ごとにどの年に何が出ているかを調べれば、どういうことを対策すれば良いのかが分かるはず。

その上でどの問題なら解けそうかを考える。僕の時は24問中4問解けば良かったので、8問は手を付けられるようにした。 

 

5月〜6月

  • 学部1〜2年の時にやったことを復習する。

院試と言っても多くの問題は学部の1〜2年(ものによっては3年の夏)にやった内容で構成されてます。まずは自分の大学で過去に学習したことをもう一度復習するのが早道です。「あーなんか昔やったなぁー」ぐらいでは本番は解けません。

  • 過去問を解く

過去問を解いて、分からない問題を先輩や同期に聞いてました。とりあえず解法が分かると精神的に落ち着きます。

  • 基礎的な内容が乗っている本を探す。

昔の講義資料が残っていればそれを元に勉強すれば良いですが、無い場合や資料がよく分からない場合は本を探しましょう。入試問題にかぶっていて基礎的な内容から書いてある薄目の本が良いと思う。(厚いと途中で挫折した時リスクが高いし、内容が必要以上に高度になりがちなため。分厚い古典的名著を読み始めると入試に間に合いません)

あと実際には手を動かして問題を解くわけだから、なるべく例題とか章末問題の答えが付いているものを探した。

 

僕が読んだ本は、

  • アルゴリズム対策として「計算とアルゴリズム」(前半だけ)

(アルゴリズムや計算量の算出がコンパクトにまとまっている)

計算とアルゴリズム (新コンピュータサイエンス講座)

計算とアルゴリズム (新コンピュータサイエンス講座)

 

(例が豊富でとても分かりやすい)

計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

 

(ほとんどの用語が出てくる。ただ去年から「4行から10行」という指定が入ったので、1行30字として200字程度書かねばならずこの本だけでは十分書けないかも。ちょっと古い)

ポストゲノム情報への招待

ポストゲノム情報への招待

 

(これを読んで解ける問題があるかは微妙)

バイオインフォマティクスのためのアルゴリズム入門

バイオインフォマティクスのためのアルゴリズム入門

  

7月

  • 本番解けそうな分野をしっかり勉強する

基礎の復習がだいたいできたところで本番でなんとかなりそうな分野を中心に、出そうなところ、まだ問題が解けるレベルに達していないところを見つけて勉強した。

僕の場合、5つの分野を過去問の流れから何が出るか予想して重点的に勉強してました。(8つヤマを張ったのに1つもカスリませんでしたが...)

一応専攻の全教員のHPを覗いて講義資料を見ておくといいかもしれない。結果的には役に立たなかったけど。 

入試日に近づくにつれ分からないことや、やり残したことがあると焦ってそればっかり勉強してたけど、いま振り返って考えると難しいことをやるよりは簡単なことや勉強したことの確認をした方が有益だったと思う。

  • 分野基礎問題の対策をする。 

知能情報学専攻の場合は、第一志望の研究室の出す問題を解かなければならない。研究室によってはオープンキャンパスの時の資料や募集要項をもらった時についてきた冊子に出題範囲があるのでそれも参考に対策する。

僕は言語処理分野だったので、まず奥村先生の「自然言語処理の基礎」を読んでから、「確率的言語モデル」を読んだ。

自然言語処理の基礎

自然言語処理の基礎

言語と計算 (4) 確率的言語モデル

言語と計算 (4) 確率的言語モデル

例年用語説明を求められていたので、上記の本から自前で用語集を作って覚えた。

 

 

本番

暑いけど頑張る。

意外と時間がないので解けるとこから解く。

合格ライン付近の場合面接があります。面接に呼ばれても第一志望の研究室に行けた人もいたらしいので頑張りましょう。

 

合格したら絶対覚えておくこと

翌年の3月上旬に入学手続きと入学金振込みがあります!!卒論で忙しい時期にこっそりお手紙が届きますが、これを忘れると合格がなかったことになるので注意しましょう。

(京大の場合、要項に書いてある時期までに届かない場合がありますが仕様っぽいです)